パピルス草(和名:カミカヤツリ)は、古代エジプトのコブト語では、河に 育ったビィーナス、河に生まれたビィーナスという意味で、古代エジプトで は茎を刃物で薄く切り、最古の書写材料として使用されていました。

 古代エジプトの世界的名声と富は、主としてこのパピルスと織物の輸出 によって築かれてといわれています。
 
  また製紙法が発達する10世紀頃までは、地中海諸国で盛んに用いられ政治と商業と文化的交流に大きく貢献し、英語のペーパー(Paper)は、このPapyrusを語源にしています。熱帯性の水生植物であるため、エジプトでは多年草、日本の気候では一年草として育成し、茎は三角形で2m以上に成長します。
 
原産地はスーダン
 「エジプトではどんな感じ?」と原産地でのパピルスの生態・様子について訪ねられますが、実のところパピルスの原産地はエジプトではなく、スーダンになります。

 正確にはコンゴ・ウガンダ・スーダン三国の国境を股にかける大湖沼地帯「エル・スッド」が原産地です。パピルスはこの「エル・スッド」から白ナイル川を経て、遥かな下流のエジプトに流れ着いたものに過ぎません。

  しかし、紀元前エジプトの王家はパピルスを管理栽培し、さらにパピルス古代紙の製法を門外不出とすることにより莫大な富みを得ることに成功するのです。

 他国では、まだ竹・木の皮などに文字を書いていた時のことですから、その英知の凄まじさは驚くばかりです。