蘇ったパピルス古代紙
種子から大量に発芽育成する技術開発に成功。

ペーパーの語源であるパピルスは、BC3000年からAD1000年までの4000年間、世界の書写材料として利用されました。それが1965年、エジプトのDr.HASSAN RAGABによって、パピルス古代紙として蘇りました
そして、1992年「神戸パピルス研究所」はナイル河の水を使用する以外できなかったパピルス古代紙の製造方法の開発に成功しました。
さらに1994年には、株分け方法以外に繁殖しなかったパピルス草を、その種子から大量かつ計画的に苗を発芽育成する技術開発に成功しました。その結果、各地にパピルス草が栽培されています。本来パピルス草は熱帯性の多年草ですが、日本では一年草として利用することにより、閉鎖水域に自生するほかの植物に悪影響を及ぼすことなく、魚類を育て、トンボ等の生物の生育繁殖の場を提供し、さらに打ち寄せる水による岸の侵食を防止し、水域全体として生態系改善の役割を果たしています。しかし、閉鎖水域の水質浄化を進めるためには、窒素・リン等を吸収して成長したパピルス草の利用が問題となります。そこで「神戸パピルス研究所」では各種の製紙方法を研究。現在、古代紙、和紙、洋紙に利用できるようになりました。その結果、パピルス草による環境保全のサイクルが完成しました。

<パピルス草の群生>

<パピルス草の苗>